ミネラルを含む飲料水の摂取が口腔環境と脳の「注意実行機能」に及ぼす影響について
この度、大阪成蹊大学の臼井達矢教授らによる研究チームにより、ミネラルを含む飲料水の継続摂取が、中高齢者の口腔内環境および脳の認知機能(注意実行機能)に良好な影響を与えるという研究論文が発表されました。
本記事では、その研究内容の要約をご紹介いたします。
研究の背景
加齢に伴い口腔機能が低下する「オーラルフレイル」は、全身の健康を損なう「フレイル(虚弱)」の入り口として重要視されています。
近年の研究では、ストレスや口腔内の脱水が、細菌の増殖を抑える免疫物質「HBD-2(抗菌ペプチド)」の分泌を低下させ、さらに脳の注意実行機能(物事に集中し、的確に処理する能力)を低下させることが示唆されてきました。
研究内容と結果
研究チームは、中高齢女性29名を対象に、ピンクイオン(粉末500ml用)を1日1回、30日間継続して摂取する実験を行いました。 その結果、以下の項目において有意な改善が確認されました。
• 口腔環境の向上:口腔内の水分量が増加し、口腔免疫の指標であるHBD-2の分泌が促進されました。
• 自律神経の安定:リラックス状態を示す「副交感神経」の活動が高まりました。
• 脳の働きの改善:注意実行機能を測定するテスト(TMT)において、反応速度の向上が認められました。
これらの効果は、摂取を中断した1ヶ月後には元の水準に戻る傾向が見られたことから、ミネラルを含む飲料水で継続的に口腔を保湿することが、健康維持に極めて重要であることが示されました。
結論として、こまめな水分・ミネラル補給による口腔保湿は、口腔内のトラブルを防ぐだけでなく、脳の健康を守り、全身のフレイルを予防するための有効な手段となりえることが分かりました。